ニッケイ新聞 2013年9月7日
高円宮妃殿下の久子さまがIOC総会に出席するとかを巡り宮内庁の風岡長官が「両陛下も懸念」と述べたのを菅官房長官が批判。妃殿下は日本サッカー協会の名誉総裁であり、下村博文文部科学相が宮内庁を訪ね「久子さまのIOC総会出席」を要請していると反論するなど東京オリンピック招致をめぐり日本は騒々しいばかりに燃えている▼東京の猪瀬知事もブエノスに入り「ぜひ東京へ」と猛運動を繰り広げているが、安倍首相もG20首脳会議を切り上げアルゼンチンに飛ぶ。2020年五輪には、東京とマドリードやイスタンブールが立候補している。目下、3都市は各国で猛烈な誘引策を講じているが、この乱戦を乗り切るのはとても難しい。開催都市と決まるには、IOC総会で115委員の過半数を獲得という難関がある▼それだけに水面下における各候補地からの働きかけは激しい。いろんな調査によると、東京が優位であり、イスタンブールが2位と続くが、マドリードも侮れない。IOC委員の過半数はヨーロッパ系であり、土壇場になって引っくり返る可能性もゼロではない。ここはIOC総会での高円宮妃久子さまの名演説に期待したいところ大である▼寛仁宮さまの彬子さまも駆けつけるそうだし、こちらの引き寄せ作戦にも見事な花を咲かせたい。東京かイスタンかは、今日—ブエノスで決まる。今ごろは—あのタンゴの街で凄まじい血戦を展開しているだろうが、安倍首相も猪瀬知事も、「東京の良さ」をよく説明し「2020年東京五輪」を実現してほしい。ブラシルの日本移民も「必勝東京」と応援したい。(遯)