ニッケイ新聞 2013年9月18日
エイケ・バチスタ氏が所有するEBXグループの一つで、エネルギー生産と販売を担当している旧MPX(現在はEnevaと改称)が、完全にエイケ氏の手を離れようとしていると17日付エスタード紙が報じた。
エイケ氏の会社の社名はXの文字が入っているのが特徴で、MPXは改称によって既に社名のXを失っている。それをダメ押しするかのように進められているエイケ氏が持つ株式売却には、日本の丸紅など3社が関心を示しているという。
同紙によれば、エイケ氏の持ち株購入の意思を見せているのは、丸紅とカナダのCPP(公務員向けの年金ファンド)、オーストラリアのIFM(基幹構造関連のファンド)で、丸紅が最も積極的と見られている。
丸紅ブラジルは1950年代からブラジルに進出。製鉄や化学、機械、食品、穀物輸出など、幅広い分野で活躍中の多国籍企業だが、Enevaに関しては、現時点では何の書類も取り交わしていないと語るのみに止めている。
Enevaは現在、ドイツ系のE.ONとエイケ氏の共同経営で、E.ONは5月、14億レアルでMPX株24・5%を購入して持ち株比率を36・2%に高めた。現在のE.ONの持ち株は37・9%で、エイケ氏の持ち株は23・9%。エイケ氏の持ち株購入者は将来の共同経営者となるが、E.ON側はエイケ氏の持ち株売却を認めたくない企業のリストを作成。具体的には、フランス系多国籍企業のGDFスエズなどの名前が挙げられているという。
エイケ氏の持ち株売却は来週中に実現する見込みだが、小規模株主達が新たな共同経営者となる企業に自分達の株を売却する可能性もあるため、エイケ株購入者の持ち株比率は23・9%を上回る可能性も高い。
EBXグループは信用危機後、MMX保有のスデステ港の資本売却や、アスー港の責任を持っていたLLX売却などの続き、今月末に返済期限が切れる社会経済開発銀行(BNDES)の融資5億1800万レアルについても、期限延長の特別措置が検討されている。