ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | パライーバ州=医師が違法兼業の容疑=検察、会計検査院が捜査

パライーバ州=医師が違法兼業の容疑=検察、会計検査院が捜査

ニッケイ新聞 2013年9月18日

 北東部パライーバ州内陸部で複数の医師が違法兼務をしている容疑がかけられており、同州検察局、州会計検査院が捜査している。17日付G1サイトが報じた。
 具体的な容疑の例は、同州ソウザ市で市議会議長を務めるエドゥアルド・メデイロス氏が医師として勤務しているというもので、同氏は他にも医療分野で五つもの職を掛け持ちしている。
 同氏は市議会議長として月に7千レの給与を受け取っているほか、医師としての収入もある。同氏が結んでいる医師としての雇用契約によれば、同州サンタエレーナ市の家族医療診療所に毎日出勤することになっているが、調べによればそれは履行されておらず、地元住民によれば同氏は姿を見せないという。
 同氏は違法性を認めているものの、雇用契約で決められた出勤時間を満たせないため、診療所幹部と別途取り決めをしているという。しかし給与は全額給付されている。
 しかし同氏は、「他の医者もこの種の雇用契約を結んでいる」と主張する。「あそこで働いている医者は皆そういう働き方をしている。自分は診療所幹部との取り決めに従う形で勤務をしているだけ。法律に忠実に従っていたら、自分はどうやって食べていけばいいのか?」と弁明する。
 ただし、違法性はソウザ市地域病院のクラウジア・ガデーリャ院長も認める。「彼は夜間12時間当直して、昼間は手術を手伝っている。正しいことではないけど、需要に応えるためにこのような形の契約を結んだ」と説明する。
 他のケースについても同州検察局のフラビオ・ペレイラ検察官は、「違法である以上に、本来の勤務に影響を及ぼさずに1人の人間が3〜5もの仕事を掛け持ちするなど不可能」と指摘し、州会計検査局のアンドレ・カルロ顧問は「医師は、勤務時間への影響を及ぼさないという条件なら二つまでの公職兼務が可能。ただ市議会議長の場合は公職だけに専念するのが筋」との見解を示す。
 同局は同件に関し、「医師の兼務は憲法も認めているが、公的な役職に就いている人が兼務している場合は違法とみなされる」と話している。