ニッケイ新聞 2013年9月19日
18日、メンサロン事件上告裁判の再審理に関し、サンパウロ州民の意見は二つに割れたとするダッタフォーリャの調査結果が発表された。他方、最高裁では、昨年の公判で判事投票が接戦(5対4)だった12人の被告の再審理実施が決まった。18日付フォーリャ紙などが報じている。
メンサロン事件の再審理に対する最高裁判事の投票は10、11日に行われ、賛成、反対が5対5の同数となった時点で閉廷となった。ダッタフォーリャがサンパウロ州民719人を対象に行った調査でも同様に2分していたが、18日に再開された審理では、午後4時43分に最高裁最古参のセウソ・デ・メロ判事が投票を行い、メンサロン事件の再審理が決まった。
サンパウロ州民のうち「再審理に反対」と答えた人は55%と過半数をわずかに超えたに過ぎず、37%が「再審理に賛成」とした。「反対」と答えた人の65%がこの議題についてすでによく知っていると答えており、「賛成」と答えた人の41%は、メンサロン事件の首謀者との判決が既に下されている労働者党(PT)の支持者だった。
だが、「実刑判決を受けた被告はすぐに刑務所に入るべきか」との質問では、79%が「すぐに入るべき」と答え、「再審理が終わるのを待ってから」の18%を大きく上回った。なお、僅差で有罪となった罪のある被告12人の内11人は他の罪での有罪が確定しており、仮に再審理となって判決が覆ったとしても刑が減刑されるのみで完全に無罪にはならない。
最終的には、セウソ・デ・メロ判事は18日午後4時43分に「賛成」に票を投じ、判事投票6対5で再審理が決まったが、最後に判事投票を行うセウソ・デ・メロ判事が「再審理への賛成と反対、どちらに投票すると思うか」という質問には「再審理に賛成」と答えた人は50%で、「反対」が34%だった。伯字紙の先週の時点での憶測では「賛成に投じるのではないか」との見方の方が強かった。
「メンサロン裁判での最高裁の仕事をどう判断するか」に「良い」と答えた人は21%で「普通」が29%、「悪い」と答えた人は41%に上った。また、「メンサロン事件に関してしっかり情報が行き届いているか」の質問には19%が「行き届いている」と答え、52%が「普通」と答えている。
セウソ・デ・メロ判事の投票を前日に控えた17日は、ロドリゴ・ジャノット新検察庁長官の就任式があり、ジウマ大統領は「(司法関係者は)賢明で明確、独立した判断をするべきだ。良心に基づき、自由な決断をするためには公平であることを望みたい」と語った。セウソ・デ・メロ判事は17日まで、他の判事との会話などを避け、自身の意思決定に集中していたという。