ニッケイ新聞 2013年9月19日
ペルーを旅行中のブラジル人女性が体調を崩し、脳に腫瘍がある事が判明したが、保険会社が帰国を拒否したために、旅先で緊急手術を受けたと17日付G1サイトが報じた。
32歳の設計士、ナタリア・ドゥフィエスさんがてんかん様の発作を起こし、意識を失ったのは6日の事。検査の結果、脳に腫瘍ができている事が発見されたが、一緒に旅をしていた友人は一足先に帰国して、一人だった事もあり、ナタリアさんの親族が状況を知らされたのは8日だった。
一刻も早く手術をする必要があると知らされた家族は、保険会社に連絡を取ってナタリアさんをブラジルに帰国させようとしたが、保険会社からの依頼を受けたアクサ・アシスタンセは、契約の前には健康であった事を証明しなければと言い始め、せっかく予約した航空便はキャンセルされた。
旅行前に契約した保険で払う金額では足りない分は家族がはらうと申し出、会社側も移送費の全額負担を決めた12日、ナタリアさんの病状はますます悪化したため、クスコの病院の医師達は緊急手術が必要と判断し、即座に執刀した。
ナタリアさんの両親はペルーに飛び、病床に付き添っているが、現在の家族の関心事はナタリアさんの回復とブラジルへの帰国で、保険会社に対する訴訟の話は二の次だ。