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ロック・イン・リオが終了=後半の目玉となったのは?

ニッケイ新聞 2013年9月24日

 23日未明、13日から合計して7日間に渡って繰り広げられたロック・イン・リオが終了した。今回は19〜22日にわたる4日間のハイライトと総括をする。
 13〜15日に行われたロック・イン・リオの前半部は、現在の若者に人気の若いアーティスト主体の顔ぶれだったが、後半は一転して1980年代頃から高い人気を誇るベテランを主体としたものだった。
 そのため、観客は前半よりも年齢層も高く、男性の方が多くなったが、女性客や少年少女の姿も予想以上に多く見受けられた。そこには世代や音楽のジャンルの違いを超えて、純粋に音楽の良さを受け止め、楽しもうとする観客の心の広さを見ることが出来た。
 後半で話題を呼んだのは20日のトリのボン・ジョヴィと、21日のトリのブルース・スプリングスティーンだった。
 ギタリストの直前の脱退と、ドラマーが負傷して代役を立てて臨むなど、決して万全の状態ではなかったボン・ジョヴィだが、「ロック史上に残る色男」と称されることも少なくないヴォーカルのジョン・ボン・ジョヴィに会場の女性たちが涙を流しながら絶叫する姿も見受けられた。ハイライトは、30代の女性ファンがステージにあげられたときで、ジョンはその女性を見るとみずから自分の唇を指差し、その女性にキスをさせた。その瞬間、会場全体が嫉妬と祝福の大きな歓声に包まれた。
 一方、ブルース・スプリングスティーンのコンサートは、ブラジルの伝説のロック歌手ラウル・セイシャスの曲を1曲目に据えてポルトガル語で歌いはじめたことで、リオの観客の心を一気につかんだ。ブルースはそこから3時間、声枯れも疲れも見せることなく、最後までエネルギッシュに激しく歌いきった。翌々日の23日に64歳の誕生日を迎えるとはとても思えない驚異的なショーは、「ロック・イン・リオ史上最高のものの一つ」とブラジルの各メディアから絶賛を受けた。
 こうして熱狂のうちに2013年のロック・イン・リオは終了した。リオでの次回開催は2年後の2015年。主催者側は、極力、2年おきに開催していきたいと語っている。
 だが、来年2014年には、アルゼンチン版のロック・イン・リオを開催することが決まっている。ロック・イン・リオは2004年から12年にかけての偶数年でポルトガルとスペインで、場所が違うにもかかわらずそのまま「ロック・イン・リオ」の名称のままイベリア半島版の開催を行ってもいた。
 また、アルゼンチン版がはじまれば、ブラジル国民にとっては、その流れでブラジル主要都市での公演も期待できる。今年のロック・イン・リオでも出演アーティストの10組以上がサンパウロで公演を行ったほか、アルゼンチンやその他周辺国を公演のために訪れる場面も見られた。