ニッケイ新聞 2013年9月25日
連邦議員やリオ州真相究明委員会の委員らが23日、リオ市北部の旧Doi—Codiを軍政時代の記念館として残すプロジェクト実現のため、同施設を訪問したと24日付伯字紙が報じた。
現在は軍の施設となっているDoi—Codiはチジュッカ区にあり、軍政時代(1964〜85年)に政治犯を拘留・迫害した国内最大の施設だ。今回の連邦議員や真相究明委員会の委員達の訪問は、ここを接収し、軍政下で迫害された被害者達を記念する場所にしようというキャンペーンの一環として行われ、迫害撲滅を訴えるリオの市民団体トルトゥーラ・ヌンカ・マイスの人々もその様子を見守った。
訪問者の名簿は事前に軍に届けられていたが、訪問団到着の直前、退役軍人で進歩党(PP)のジャイール・ボルソナロ下議が現れ、訪問団と一緒に中に入ろうとしたため、阻もうとした自由社会党(PSOL)のランドルフェ・ロドリゲス上議や社会党(PSB)のジョアン・カピベリベ下議との喧騒が起きた。
ロドリゲス上議はボルソナロ下議に殴られたというが、同下議は悪口を言われて押しただけと弁明。軍司令官が全員の入場を許可したため、喧騒は収まったが、他の訪問者達がジャーナリストで迫害経験者のアルヴァロ・カウダス氏の案内で施設内を回る間も、ボルソナロ下議は中庭に留まった。
同下議は入場前、取材の記者達に、「委員会の仕事を監視するために来た」「彼らは軍を批判しているがブラジルを救ったのは軍だ」と発言。この発言に訪問団は眉をひそめ、訪問を見守っていた約30人の市民達は「独裁的社会主義者」などと野次を飛ばした。
訪問団はエンゾ・ペリ陸軍総司令官に、同地で拘留されていた24人の状況と、1980年に起きた爆破事件に関する質問書を送付した。爆破事件では、ブラジル弁護士協会書記だったリダ・モンテイロ氏が死亡している。