ニッケイ新聞 2013年9月25日
ブラジルで16回目のオペラツアーを行うテノール歌手の田中公道さん(76、島根)が妻の宏子さんとともに来社した。
今回は8月下旬から来年1月までの約5カ月間滞在し、リサイタルの他、サンパウロ州各地でイベント出演や声楽レッスン、カンピーナス市である全伯コンクールの審査員も務める。宏子さんもピアノ伴奏を務める。
田中さんのイベント出演は2千回以上。日本国外ではアジアや欧米各地で536回、ブラジルだけで200回を数える。
田中さんがオペラと出会ったのは高校3年生の時。趣味のラジオから聞こえたテノールの高音に感激し、道を決めた。島根大学教育学部特設音楽科を卒業。8年間、中学校の教壇に立ち、イタリアで3年間、本場オペラを学んだ。
すでに出演したイベントに関して「良い評価をして頂いている。海外の歌手として招待された以上、他の出演者には負けたくない」と強く語った。
90分公演で12曲ほど披露する単独リサイタルは「年齢とともに体力は下降するが、自分自身との戦い。できる限り長く挑戦したい」と意気込みを述べた。