ニッケイ新聞 2013年9月26日
サンタカタリーナ州北部のサンフランシスコ・ド・スルで、24日の夜11時頃発生した火災が25日昼になっても収まらず、大量の煙を避けようとする市民の一部は近隣の町に避難している。
火災が起きたのはパウラス地区の貨物ターミナルにある倉庫の一つで、その中には約1万トンの肥料が保管されていた。火災発生と共に、サンフランシスコ・ド・スルやジョインヴィレなどの周辺地域の消防隊やフロリアノポリスの軍警総合司令部付き消防隊、アルカンジョの軍警基地のヘリコプターなどが動員されたが、保管されていた肥料の量が多いため、鎮火にてこずっている。
化学肥料は火薬や爆薬の原料ともなりうる硝酸アンモニウムを成分としているため、火災現場から出る白煙は爆発を起こした時のようにいくつもの塊となって立ち上っている。
25日午前中に流れていた情報では、火災によって発生する煙には米国では薬物による死刑執行時に使用される塩化カリウムなどの有毒物質も含まれるとされ、近隣地区の住民にも避難命令が出ていたが、同州政府は同日午後、硝酸アンモニウムの煙には有毒性はないと発表した。ただし、サンタカタリーナ連邦大学のニト・アンジェロ・デバシェル教授は、硝酸アンモニウムが過熱されれば有毒なアンモニアガスが出るから、煙を吸わないよう警告している。
住民の多くは州立サンタカタリーナ校と社会福祉センターに避難しており、大量の煙を吸って中毒症状などを起こした患者115人は、市内やジョインヴィレ市の病院に運ばれている。
住民の中には、16キロ離れたアラクアリ市や22キロ離れたジョインヴィレ市の親戚などの家に身を寄せようとした人もおり、市外へと向かう車の列は、25日11時現在で4キロに達した。(25日付グローボ局サイトより)