ニッケイ新聞 2013年9月26日
先日、スーパーマーケットでブラジル人男性が陳列棚の瓶を誤って落とし、割れて中身が飛び散った。しかし男性は苦笑いを浮かべると、何も言わずに立ち去り、後で店員が後始末をしていた。
当地には、「掃除は家政婦/掃除夫の仕事」という〝常識〟があるようだ。ポイ捨てはもちろん、冒頭のような光景も時折見かける。先週末取材に行ったアルモニア学園では、「生徒に掃除をさせると親が怒る」という話を耳にした。
「街が汚い」という不満はあるが、「だから幼い内から掃除の癖を」というのは別の話なのだろう。ブラジル学校に掃除の習慣はないが、同学園のような幼〜高までの一貫教育なら、子供に新たな価値観を植えつけやすい。掃除で荒れた学校や会社が改善したという美談を示し、親の理解を得られないものか。いずれ卒業生たちがブラジルを変える力になるかも。(阿)