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麻薬密輸のセスナ機墜落=連警が映画顔負けの捕り物

ニッケイ新聞 2013年9月28日

 サンパウロ州内陸部のボカイナ(サンパウロ市から298キロ)で25日夜、連邦警察(以下、連警)による麻薬捕獲作戦が行われ、警察の動きに気づいた麻薬搭載のセスナ機が墜落して炎上、麻薬の一部が押収され、操縦士と麻薬密売者ら4人が逮捕された。
 国外から密輸した麻薬500キロを積んだ小型機がボカイナに向かうとの情報をキャッチした連邦警察は、バウルーとアララクアラの警官約20人を現場に派遣。警官達は、州道255号線沿いのサトウキビ畑の中に作られた滑走路に着陸しようとしていた小型機と、同機を待っていた麻薬密売者達を攻撃した。
 密売者達は武装しており、突然現れた警官達に驚きつつも小銃などで抵抗、銃撃戦となった。それに気づいた操縦士は飛行機を上昇させて逃げようとしたが、小型機は滑走路から約200メートルのところに墜落して爆発・炎上した。
 爆発寸前に機体を離れた操縦士は、サトウキビ畑の中を逃げたが、26日午前1時半頃、州道を歩いているところを警官に逮捕された。警察は炎上する直前の機体の中から麻薬の一部を回収したが、押収した麻薬の種類や量などは公表されていない。
 一方、地上で待ち受けていた密売者の一部はサトウキビ畑の中に逃げ込んだが、こちらも26日未明に警官達に逮捕された。密売者達が乗り捨てた白いGOL車からは、軍などが使う小銃を含む武器や銃弾、防弾チョッキなどが押収された。
 麻薬捕獲作戦に参加したエニオ・ビアノスピノ警部によると、周囲が暗かったため、小型機が墜落した理由は失速か、警官達の銃撃を受けたせいかすら不明だという。同作戦では、車で逃げた密売者達が銃を乱射しながら通り過ぎた際、胸に被弾した連警のファビオ・リカルド・パイヴァ・ルシアノ氏が死亡。連邦警察官の組合では、今回の作戦が暗闇の中という危険な状態で行われた事に抗議している。(27日付エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙より)