今年、アマゾン日本人入植85周年を迎えることから、汎アマゾニア日伯協会(生田勇治会長)が記念事業の準備に着手している。主要イベントは、9月16日のパラー州「日本移民の日」前後を予定している記念式典および、創立55周年にして、同協会史を軸とした記念誌を初刊行する。生田会長(67、山形)は「記念事業第一の目的は日本文化の紹介。お互いの国のよい所を吸収し、融和の場を作りたい」と話し、盛大に開催する意気込みを見せた。
記念式典は9月15日から始まる「第26回日本週間」中に開催される。期間中に「日本祭り」も開かれる。毎年、最終二日間だけで5千人が訪れるイベントだ。
昨年、協会の会館で行なったが手狭だったため、アマゾン日本人移民80周年を祝ったハンガー(市内にある2万4千平米のイベント会場)を無料提供するよう州政府に交渉中だ。
予算は協会で実施した場合、最低10万レアル。ハンガー会場では、同会場を無償借用できたとしても30万レアルが見込まれるという。
「色々な民族がミックスされているのがブラジル」(生田会長)との考えから、他国移民の文化団体にも窓口を開放して交流を図るほか、これまで3回来伯した劇団「曼珠沙華」(まんじゅしゃか)の招聘も検討、文化イベントを強化したい考えだ。
アマゾン移住誌は60、70周年に刊行されているが、協会自体の記念誌がないため、堤顧問(66、宮崎、元事務局長)が2、3年前から資料を集め、今年1月から執筆を始めた。柱となる創立の歴史は執筆済み。これから資料編に取り掛かる。
「創刊号から残っている会報を引っ張り出して、夜も寝ないでやっている」と堤顧問。移民へのインタビューのみ、『ブラジル・カルチャー図鑑』の執筆者でベレン在住の山本綾子さんが担当している。予算は6万レアルで、頁総数は300頁、1千部発行の予定。
また、在ベレン領事館が創立80周年を迎えることから、「何らかのイベントを共催で」との声もあるという。
堤顧問は「移民80周年時には3万人が集まった。もっと広めていければ、少数民族である我々ももっと住みやすくなる。共存共栄が日伯協会の使命」と思いを語った。