ニッケイ新聞 2013年8月1日
サンパウロ市の映画ファンにはお馴染みのレンタル・DVD・ショップ「2001」が健闘中だ。
インターネットでのダウンロードが主流となって以来、映画やTV番組のDVDレンタル産業は、ブラジルでもほぼ壊滅状態となっている。だが「2001」は現在も市内で六つの店舗を構えている。他社がつぶれていく一方だった2011年に、最新の店舗も出来ている。
「2001」が生き残り、かつ成功していることについて、同社ディレクターのソニア・アブレウ氏は「顧客に近い存在でいたいと常に思っている」と語る。近年はDVDの宅配サービスもはじめて好評だ。「私達の作品の在庫にかなうものはない」と同氏は自信を見せる。
また、ネット以外の、人と実際に触れ合う機会も大事にしているという。店はDVDの賃貸・販売を行う場所として機能する以外に、DVDや映画関連書物の発売記念会、映画に関する講演会や討論会、映画の上映会を行うなど企画も充実させているという。
また、同店は現在100人ほどの従業員を抱えているが、全員がかなりの映画マニアだという。「私たちのお客さんはただ単にDVDを求めてくるだけでなく、店員と映画に関しての情報交換を求めてやって来ている」とソニア氏は語る。
ネットをはじめとしたテクノロジーの進化で短期間での変化への対応を強いられる映画業界だが、ソニア氏は「2001」の5年後について、「未来の状況はわからないが、良質の映画を求める映画を愛する人たちへのサービスを提供しつづけていたい」と語っている。(7月31日付エスタード紙より)