ニッケイ新聞 2013年8月2日
北東部アラゴアス州で下痢による死者が今年に入って51人に上り、全州の罹患者は8万人以上に上ると1日付フォーリャ紙、同日付G1サイトなどが報じた。
ここ50年間で最も深刻な旱魃に見舞われている州第三の都市パウメイラ・ドス・インジオス市では今年、人口7万738人中8583人(12%)が下痢に罹患し、11人が死亡した。「水道の水も粘土が混ざっているので、濾して沸騰させなくてはいけない」。101歳の義母を14日に亡くしたジェトゥリオ・シウヴァさん(62)はそう説明する。
住民は井戸水のかわりにミネラルウォーターを購入して対処しており、「死ぬのが怖いから、パンを買うのをあきらめて水を買っている」と、主婦のマリリ・デ・オリベイラさん(47)は肩を落とす。ミネラルウォーターは需要拡大で30%前後値上がりしている。
市役所によれば、被害者は子供と高齢者が多い。市内にある病院の医師エドアルド・アルーダ氏は「下痢でこんなに多くの死者が出るのは前代未聞」と話しており、旱魃が長引いた後に降った雨でゴミや汚物が貯水池などに流れ込み、汚染された水を住民が摂取することで病気を引き起こしているとみている。
また、市の衛生管理にも問題がある。IBGEによれば、同市では下水道処理システムにつながっている家は6%しかない。また、浄水場から最も離れた地域の水道水からは塩素が検出されなかったという。
ジョルジ・ヴィラス州保健局長は1日午前の記者会見で、下痢の突発的流行を認めた上で、「この4週間ほどは減少傾向にある」とコメントした。州保健局は、保健所の一部で対応に過失がなかったかどうか調査するとしている。