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Ibope=社会的信頼度調査の結果を発表=デモで全部門に不信感=「大統領」の信用は急落=政治部門の落ち込み大きく

ニッケイ新聞 2013年8月3日

 ブラジル世論調査・統計機関(Ibope)による最新の信頼度調査の結果が1日に発表され、全ての部門で昨年の調査結果を下回り、6月の全国デモの影響力の強さを感じさせた。中でも最大の落ち込みを記録したのは大統領だった。2日付エスタード紙が報じている。

 この調査は毎年行われているもので、今年で5回目の発表となる。今回の調査は7月に行われ、18項目について、信頼の有無を問うている。
 今年は6月に全国規模でのデモが発生したことで、調査開始以来はじめて全ての項目で信頼度が落ちた。平均信頼度も昨年の54%から47%に落ち、この調査ではじめて50%を割った。
 その中で最大の落ち込みを記録した項目は「大統領」で、前年の63%から42%へと大幅な落ち込みを記録した。この項目はルーラ大統領時代の2010年には69%と、全項目中「消防隊」「教会」に次ぐ信頼度の高さを記録した。ジウマ大統領になった後も、2011年60%、12年63%と高い信頼度を誇っていた。
 また、その内訳を見ると、ジウマ大統領への支持の落ち込みは南東伯で激しく、60%から34%に下がっている。北東伯では68%から54%の落ち込みだった。また、所得別では、低所得層のD/Eクラスでの信頼度は54%あったのに対し、A/Bクラスは36%に止まっている。
 また、政治への信頼度低下が深刻化している。「政党」「議会」の二つは2009年の調査開始以来、常に最下位を争いつづけているが、今回は、前者が29%から25%へ、後者が36%から29%へ、それぞれ信頼度を下げた。また「連邦政府」への信頼度も53%から41%に落ち込んだ。
 昨年に引き続き下から3番目の信頼度で、6月のデモの際も争点となっていた「医療システム」の落ち込みは2番目に大きく、42%から32%に下がった。
 今回の調査で信頼度の高かったものの上位3位は、昨年に引き続き「消防隊」「教会」「軍隊」で、それぞれ数字は下げたものの、77%、66%、64%を記録した。
 その他は順に、「マスコミ」(56%)、「企業」(51%)、「市民団体」(49%)、「警察」(48%)、「銀行」(48%)、「公立学校」(47%)、「司法部門」(46%)、「選挙システム」(41%)、「市政」(41%)、「労働組合」(37%)と続いている。
 「司法部門」の信頼度は前年より13%下がったが、信頼度の高さでは18部門中10位と、順位を一つ上げた。Ibopeのマルシア・カヴァラーリCEOは、「昨年のメンサロン裁判で信用を回復したのでは」と捉えている。EOは、「昨年のメンサロン裁判で信用を回復したのでは」と捉えている。