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盛衰激しいサンパウロ4強=サッカーチームの近況占う

ニッケイ新聞 2013年8月6日

 ブラジルの国内サッカーは、いわゆる「12強」と呼ばれるクラブが人気、実力共に市場を独占している状況だ。中でも「サンパウロ州4強」と呼ばれるコリンチャンス、サンパウロ、パルメイラス、サントスの4チームはいずれも国内で上位の人気を誇り、動向が気にされているチームだ。今回はこの4チームの近況について見ていこう。
 この4チームの中で現在もっとも安定しているのがコリンチャンスだ。昨年のクラブ世界一に輝いたコリンチャンスは、今年の南米一こそ逃したが、サンパウロ州選手権でも優勝した。現在は、昨年の世界一の立役者で代表(セレソン)のレギュラーでもあるボランチのパウリーニョがトッテナム(イングランド)に移籍した直後だが、大崩れはしていない。
 全伯選手権(ブラジレイロン)でのコリンチャンスは8月4日時点で7位だが、11試合での失点はわずか5点と参加20チーム中でも圧倒的に少なく、「堅守のコリンチャンス」のイメージを堅持したまま、2年ぶりとなる全国制覇を目指している。
 チームのスーパースター、ネイマールが抜け苦戦が予想されたサントスは、19歳の新ストライカー、ネイルトンなど、若手中心に切り替えて全国選手権を戦っている。2日に行われたネイマールの移籍先であるバルセロナとの親善試合のでは、スペインの相手側本拠地で0—8という屈辱的惨敗を味わいはしたが、若いチームだけに、ここで得たものを今後のブラジレイロンに活かしたいところだ。
 逆に心配なのがサンパウロだ。2005年の世界一、06〜08年のブラジレイロン3連覇をはじめ、ここ10数年、常に国内の上位につけてきた。ところが6月〜8月初頭にかけ、クラブ史上ワースト記録となる14戦連続勝利なしの不名誉な記録を更新した
 選手自体体は悪くなく、復活が期待されるネイマールの元相棒のガンソに、ジャジソンやオズワルドなどのセレソン召集選手、10年W杯エースのルイス・ファビアーノなど、選手のネーム・バリューは十分だ。ところが、チーム内の連係バランスが崩れている状態で、このままでは今期での引退が囁かれている主将の〃守護神〃ロジェリオ・セニの花道を汚す可能性もでてきている。PSG(フランス)に移籍したルーカスの後、若手の台頭が見えないのも気がかりだ。
 一方、現在2部降格中のパルメイラスは、名門復活、そして、来年誕生する新スタジアム「アリアンス・パルケ」を1部昇格で迎えるべく、奮闘中で、2部で順調に1位をキープしている。
 レアンドロ、ヴィニシウスの19〜20歳の若手ストライカーに加え、サントス時代にネイマールと前線でコンビを組んでいたアラン・カルデッキを加えるなど、戦力補強も積極的に行い、前年の反省を活かしている。1部復帰に加え、ブラジル杯での2連覇を目指すことで、2年続けてのリベルタドーレス出場も狙いたいところだ。