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初心者には使いづらい=サンパウロ市の公共交通=慢性的な問題が山積

ニッケイ新聞 2013年8月7日

 サンパウロ市は世界でも有数な、交通に問題を抱えた都市として知られ、現在も、地下鉄の工事や運営に関する関連企業のカルテル疑惑や、交通渋滞や電車の故障などによる事故の数々が毎日のように報道されている。今回はそんなサンパウロの交通事情について語って行こう。
 サンパウロの交通問題を語る際に避けて通れないことのひとつに、鉄道を利用する公共交通機関網の未発達さがあげられる。現在サンパウロの電鉄は、地下鉄5路線とCPTMと呼ばれる公営電車6路線で構成されている。だが、地下鉄の長さは全て合計しても全長78キロにしかならない。サンパウロの地下鉄設計は1970年代にはじまっているが、これは同じ時期に建設がはじまったメキシコ・シティの3分の1の長さにしかならない。なお、世界で4番目に長い東京の地下鉄の全長は304キロだ。
 サンパウロでは現在も地下鉄の拡張工事が行われており、州の発表によると現在は2路線の拡張工事と2路線の新設工事を行っており、いずれも2014年には開通の見通しと言われている。だがサンパウロの場合、地下鉄の開通の遅れは日常茶飯事で、なんらかの事情で工事が長期にわたり中断されることも珍しくない。
 また、それに輪をかけて、地下鉄建設におけるカルテル問題がこの7月に発覚。既に運行している路線に関しては大きな影響は出ないだろうが、工事中の路線にカルテル疑惑のある企業が絡んでいたりした場合は、工事に支障が生じる可能性もある。
 また、サンパウロ市内には電車網が届いていない地域が多い。そういう地域にはバスが対応しているが、サンパウロのバスがまたやっかいだ。バスに乗っても運転手や料金係(コブラドール)は決して行き先を言わないため、自分の降りる目的地は自分で窓の外を見て判断しなければならない。そのため、はじめての場所へ行くようなときには使いにくい。どのバスに乗るかも、バスの運営会社のサイトか、グーグルの地図で調べるしかない。
 そうなると、残る手段は自家用車かタクシーしかなくなるのだが、市内の主要な通りの渋滞は世界的にも有名で、とりわけ月〜金曜の夕方はすし詰め状態となる。また、タクシーを使う場合、運転手は基本的にポルトガル語しか話さないので、旅行客には非常に不向きで不安材料も多い。
 今や人口1千万人を超える南半球屈指の大都市であるサンパウロだが、前述したような点を考慮すると、国外からの観光者などが一人歩きするのを妨げ、短期間での解決が難しい問題が多いのもまた事実。それを解消するためにも、地下鉄の設置は大きな課題となる。

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