ニッケイ新聞 2013年8月7日
日本が誇るポップ・アートの画家、草間彌生がアルゼンチンのブエノスアイレスで行っている南米初の個展が好評だ。個性的な作品を集めたこの展示会は、ブラジルでも10月から開催される。
草間彌生といえば、水玉を使った絵画やアートの表現者として世界的に知られた存在だ。1960年代に現代芸術の都ニューヨークで注目を集めた草間は、80歳を超えた現在も精力的に活動を続け、日本のアート指向の若者からも熱い支持を今も受けている。
その草間の南米初となる個展は現在、アルゼンチンのブエノスアイレス南米美術館で9月16日まで開催されているが、開催1カ月にして7万人の来場者を記録する盛況ぶりだという。
ここでは草間の作品約100点が展示され、絵画の他に、色とりどりの電球をあしらい、鏡も組み合わせた幻想的なアートの部屋や、水玉をあしらった変則的な形の風船を詰めた部屋など、趣向を凝らした作品が展示されている。
今回の展示会の主催者であるカナダ人のフィリップ・ララット・スミス氏は「(草間は)もっと事前に知られているだろうと思っていたら、南米ではそうではなかった。遊び心のある展示品が広い世代に受けいれられたようだ」と語る。
今回のブエノスアイレスでの成功を受ける形で、10月12日にはリオのブラジル銀行文化センターでブラジルでの最初の個展が開催される。来年の2月にはブラジリアのブラジル銀行文化センターに場所を移して行われ、サンパウロでも来年5月にトミエ・オオタケ美術館で開催される。
現在も制作意欲が旺盛で、2012〜13年にかけて36の絵画を既に描いているという草間だが、その創造力の一旦がブラジルで披露される日も近い。(6日付フォーリャ紙より)