ニッケイ新聞 2013年8月7日
大統領府戦略問題担当局(SAE)と連邦貯蓄銀行、国連開発計画(Pnud)が行なった調査によると、ブラジルの労働者の転職率は依然高く、5人に2人が1年以内に職を変えると6日付エスタード紙が報じた。ブラジルはこの10年、正式雇用の割合や所得も向上してきたが、その一方で、次々に転職する労働者が後を絶たない。
5人に2人が転職というのはあくまでも全体の平均で、最低賃金が二つ以下の人の場合、60%が1年以内に転職するという。転職率が高くなる傾向は低学歴の人により強く、1人当たりの月収が291〜1019レアルの中流階級の労働者の43%は、「今の仕事はもっとよい仕事が見つかるまでの腰掛」「他の仕事を見つけるのが難しいから今の職場に止まっている」という。月収がより少ない労働者で同じ様に考える人は50%、月収がより高い人では28%に止まった。
収入が多い人は正式雇用者が多く、頻繁に仕事を変える事は不安定さを増す事にもつながるが、収入が少ない人の場合は少しでも賃金の高いところへという思いが強く、一つの職場で経験を積む事で、技能や知識を習得する機会を失っているとも言える。
SAEによると、何らかの理由で離職した人が1年経っても再就職できない割合は38%で、2004年の50%より状況が改善している。