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「ブラジル杯」って何?=国内のサッカー選手権の仕組み

ニッケイ新聞 2013年8月9日

 8月21日から始まるサッカーのブラジル杯(コッパ・ド・ブラジル)ベスト16の組み合わせが、6日に発表された。これから年末にかけて、全国選手権と共にブラジルのサッカー・ファンを熱くしていくことになるが、今回はこのブラジル杯を中心に、ブラジル国内のサッカー選手権の仕組みについて説明しよう。
 ブラジル国内のサッカーの選手権は、主に二つの流れがある。ひとつは1〜5月にかけて行われる各州の選手権。ここでは全ブラジル27州がトーナメント形式でそれぞれの州の王者を決める。そしてもうひとつが全国選手権(ブラジレイロン)で、1部の20チームを頂点として、全国のサッカー・チームを4部構成にして戦う。1部と2部はそれぞれ20チームで、2戦ずつ総当りの全38試合で構成される。
 ブラジレイロンで1部に入っているような強豪チームは、ブラジレイロンで別名「G4」と呼ばれる「4位以内」に入るのを目指す。そこに入ると、翌年の1〜7月に行われる南米選手権の「リベルタドーレス杯」への出場権を手に入れることができるからだ。
 ブラジルの場合、ブラジレイロンの開始が1970年代に入ってからと遅く、リベルタドーレス杯の方が先に生まれていたという歴史的背景があるため、リベルタドーレス杯で勝つことに栄誉が置かれがちで、ブラジレイロンはそのためのステップと思われているところがある。
 この他にもうひとつ、ブラジル杯と呼ばれる大会があるが、これは年の前半に行う州選手権の優勝チーム(大きな州となると2、3位のチームも参加できる)が、これらのチームが優勝をかけてトーナメントで戦う。
 ブラジルでは、20世紀の前半から存在する州の選手権が由緒ある大会として尊重されており、60年代には、このブラジル杯と同じ方式で全国一のクラブを決めていた歴史もある。このことから、1989年から開始されたブラジル杯の優勝チームにはリベルタドーレス杯への出場権も確保されている。昨年、ブラジレイロンで2部落ちしたにもかかわらず、パルメイラスが今年のリベルタドーレスに出場できたのは、この大会で昨年優勝していたためだ。
 その今年のブラジル杯だが、サンパウロ州からはコリンチャンス、パルメイラス、サントスの3チームがベスト16入りをしているのをはじめ、16チーム中、ブラジレイロン1部の強豪12チームが順当に勝ちあがっているため、実力も伯仲し、盛り上がりそうだ。
 ベスト16からはいずれも2試合での合計の結果で上位進出が決まる。