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「ブラジル丸ごと体験したい」=渡邊さん教育事情視察に

ニッケイ新聞 2013年8月9日

 日本有数のブラジル人集住地として知られる愛知県豊橋市から派遣された市立岩西小学校の国際教室教師、渡邊早織さん(50、愛知)が7月28日に来伯した。一カ月間、サンパウロ市やパラナ州で教育事情を視察している。
 豊橋市の外国児童生徒教育研究部には約100人の教師が所属し、渡邊さんはその部長を昨年から務めている。
 「やっぱりブラジル人児童が一番多い。もう日本育ち、日本生まれの世代です」。同市内に三つある特に外国人子弟の多い小学校の一つで、国際学級には約50人の児童がいる。全校で500人だから1割が外国人だ。
 「子供達の日常会話能力は一見日本人と変わらないですが、家庭内ではポ語中心なので、同年代の日本人と比べるとどうしても多少日本語語彙が少ない」という。そのような外国人児童に対し、能力に合わせて週に1時間から毎日1、2時間まで取り出し授業を行い、日本語能力を補うのが国際教室だ。
 豊橋市はパラナ州パラナバイ市と教育提携をしており、当地から毎年ブラジル人教師を招聘して半年ほどブラジル人児童の相手や研修会を開催し、相互理解を深めている。
 渡邊さんは「ブラジルを丸ごとを体験し、子供達のルーツや保護者への理解を深めたい」との抱負を語った。サンパウロ市で有識者らと面談した後、パラナ州マリンガ—市、パラー州トメアスー移住地などを視察するという。(つづく)