ニッケイ新聞 2013年8月10日
【既報関連】日本の自動車メーカー大手のホンダが7日、約10億レを投資してサンパウロ州内陸部のイチラピーナに新四輪車工場を建設すると正式発表した。年間生産能力は12万台、約2千人を直接雇用、2015年からの稼動を見込む。8日付エスタード紙が報じた。
生産の中心となるのは小型車だ。1月の米国デトロイトでのモーターショーでコンセプトカーとして披露した「アーバンSUV」を皮切りに、稼動開始から18カ月以内に新型フィット、シティの生産も開始する予定だ。この3種の生産は2工場で分割する。
イチラピーナが選ばれた理由は、幹線道路に近く、サンパウロ市から北西200キロ、スマレ工場からは100キロというアクセスのよさ。敷地はスマレ工場(170万平米)の3倍強に及ぶ580万キロ平米で、一時的にIPTU等の免税を受ける。
現地法人ホンダオートモーベイス・ド・ブラジル・リミターダの武田川雅博社長(南米本部長兼任)によれば、日本以外の国での「アーバンSUV」生産は初めて。自動車市場としては世界第4位のブラジルを「南米地域において大変重要な拠点」と位置づける同社は、「今回増強する生産能力を活用し、今後も魅力ある商品を幅広く提供していく」と意気込む。
同社では現地開発の強化も図っており、今年11月にはスマレ工場内に新四輪研究所を立ち上げ、部品の現地調達率も60%から80%に高めていく方針だ。
今年1〜7月の同社の売上げは昨年同期比8・6%増の7万7300台で、シェアは3・8%。今後5年で毎月平均20万台の売上げを目標としている。
ブラジルでは2015年までに400万台、2020年までに500万台の自動車が売れるとみる同社長は、同紙の取材に「スマレ工場で15年かけて達成した100万台の売上げを、5年で達成したい」としている。