ニッケイ新聞 2013年8月13日
2年前、ブラジル国内でタブレットといえば、1千レアル以上するアップル社のiPad以外の製品をイメージするのは難しく、Androidは質の悪い模造品と考える人も多かった。
だが最近は、Samsung、Acer、CCEといったメーカーの品も大量に出回り、スマートフォンで成功したAndroid搭載型の機種は、タブレットでも常識となった。コンサルタント会社のIDCによれば、ブラジル国内では89%のタブレットがグーグル対応型だという。
だが、アップル社にとり、ブラジルのタブレット市場で最大の脅威となっているのは、SamsungでもなければAcerでもない、中小の新興企業の製品だ。第1四半期の販売実績の46%は、Android掲載で7インチ、価格は500レアル程度という品だという。
「大手企業は1千レアル以下の機種を売り出した事がないが、自分達は初めてタブレットを買いたいと思う人にも手の届く品を持ち込んだ」というのは、バイア州カマサリに工場を構えるAmvox社で、同社の製品は399レアルのタイプと499レアルのタイプの2種だ。
廉価な小型タブレットのメーカーには、Microboard、Multilaser、Lennox、Dazz、SpaceBRなどがあり、ミナス・ジェライス州に工場があるDLも、今年は200万台を生産すると息巻いている。2004年の開業時は炊飯器を生産していた同社は、社名はDoce Larの意味と説明していたが、2010年にCクラス向けのタブレット生産を始めてからは、DLはディジタル・ライフの意味と説明が変化した。
IDCによれば、2012年のブラジルでのタブレット販売数は300万台で、今年は600万台に達する見込みだ。現状では、この見込みは上方修正されることはあっても、下方修正される事はないという。
別の調査では、タブレットは今年コンピューター関連商品の30%を占めるとみており、スマートフォンの売上が前年比86%増との予想に対し、タブレットは164%の伸びを記録するという結果を得ているという。(12日付エスタード紙より)