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採用試験で50キロのセメント担ぐ=気分悪くなる女性が続出

ニッケイ新聞 2013年8月13日

 サンパウロ州タンバウ市で11日、一般作業員の採用試験が行われ、男女合わせて100人以上の候補者が集まったが、実技試験の一つに50キロ入りのセメントの袋を抱えて60メートル運ぶという項目があり、女性候補者の中には具合が悪くなったりする人も出た。
 募集要項には、合格者は監督補佐として採用される事や、その業務内容にはセメントや石灰などの建築材料の整理整頓なども業務内容に含まれる事などが書かれていたが、実技試験の内容は記載されていなかった。
 女性候補の中には、一般作業という言葉から、道路の掃除や公的機関のトイレの清掃、学校内の掃除などを担当するものと思っていた人もいた。試験会場で、50キロ入りのセメントを60メートル先の目標地点まで運ぶと聞いた途端に受験を放棄する人も出た。
 試験開始は9時からの予定だった。ところが、試験担当官は候補者以外の人も試験の様子を見るのを認めたのに、関係者以外は会場から出るように命じた人がおり、一部候補者の家族らが抗議した。警察まで呼ばれる騒ぎとなったため、試験開始は3時間遅れた。
 受験者の中には、セメントの袋を運んだりするのは建築作業員の仕事であって、この実技試験は応募者をいたぶっているとしかいいようがないと不満をぶちまける人もいた。また、試験中も、途中で我慢できずに袋を床に落とした人、課題は何とかクリアしたものの、泣きながら会場の外に出て家族らに支えられて運ばれる人などの姿がそこここで見られた。(12日付グローボ局サイトより)