ニッケイ新聞 2013年8月15日
今年1月に改訂された燃料価格が、もう一度見直される可能性が出てきたと14日付エスタード紙が報じた。
ブラジル内の燃料小売価格は、2005年以来、燃料に課す経済支配介入納付金(CIDE)の課税率を引き下げて値上げ分を吸収する事で、一定額に保たれていた。ところが、その課税率が既にゼロとなっていて、精油所からの出口価格の値上がり分を消費者が負担する事になったのが今年の1月で、ガソリンが6・6%、ディーゼル油は5・4%値上がりした。
1月以降、国際的な燃料価格は若干値下がりしているが、ドル高が進んでレアルが14・4%目減りしたブラジルでは、8月に入ってからのガソリンの国際価格と精油所の出口価格の差が、4月時点のリットル当たり0・08レアルから0・40レアルと5倍に拡大。ブラジルの精油所は国際価格より22・9%安く品を提供している事になる。
ディーゼル油も、国際価格と出口価格の差が、0・09レアルから0・45レアルに拡大しており、国際価格より24・1%安くなっている。
ペトロブラスは既に価格調整を行いたい旨を政府に通達しているが、インフレ昂進を嫌うジウマ大統領が、ペトロブラスの要請を素直に認めるか否かは定かでない。エジソン・ロボン鉱山動力相は、ペトロブラスからの要請が出ている事を認めた上で、現在は要請の内容を検討中と回答した。
ペトロブラスは、1月の価格調整の折も要請した調整率以下の値上げしか認められておらず、エタノールの混合率引上げも併用。市場ではこの時点で年内の再調整は不可避との見方が出ていた。