ニッケイ新聞 2013年8月17日
2011年の法改正により、母親の名前だけで出生届を出した後、父親である男性が「この子の父は自分だ」と認める「後からの認知」が増えた。
サンパウロ州の場合、2012年の認定証発行数は1万1120件で、11年の6503件を71%上回った。また、今年も既に、11年の実績を超える6650件の認知が行われている。
「後からの認知」が増えたのは、手続きがより簡素化されたためだ。父親が後から認知する行為が自発的に行われる点は変わっていない。だが、法改正前の認知は裁判所で行われ、弁護士をたて、検察局を経てから認知されたため、裁判官が認知をした事を認めたという認定証を取得するまでにも日数を要した。
ところが、法改正後の認知は登記所に出向いて行えばよい事になった。そのため弁護士も不要で、認定証の発行も市内なら当日、市外または州外の場合でも最大1週間で行われるようになった。今年の場合、8月までに行われた「後からの認知」6650件中、4089件は登記所で行われたものだ。認知のための手数料は58・15レアルだが、経済力のない家庭の場合は、認定証の発行が無料となる。
息子が生まれた時は刑務所に入っていたために母親だけの名前で出生届が出されたが、母親もその後刑務所に入って認知手続きが出来なかったというファビオ・フレイタス・デ・ソウザさん(36)は、法改正の恩恵にあずかった一人だ。
ファビオさんは7年前に監察付の自由が認められたが、弁護士を探さなければならないなど手続きが煩雑で、認定証が出るのにも時間がかかるなどの理由で認知出来なかったという。だが、法律が改正され、母親と社会福祉士、刑務所の係官のサインをもらえば認知出来ると知って、1カ月前に13歳の息子を父親として認知。息子の名前には今、ファビオさんの苗字も含まれている。(11日付エスタード紙より)