ニッケイ新聞 2013年8月21日
国内での飛行機事故が2012年に181件起こり、2003年の70件と比べ158%も増えたと18日付エスタード紙が報じた。
181件という数字は記録的で、2日に1度の頻度で事故が起きたことになる。国内の便は03年は1万5019、昨年は1万699で40%増だから、事故は、03年が153便につき1件、昨年は82便につき1件起きたことになる。
航空事故調査防止センター(Cenipa)が指摘する事故の主な原因は、パイロットの誤判断、メンテナンスの履行や規則の遵守が不十分、飛行計画や離陸前のルールに従わないの三つ。
Cenipa代表のルイス・ロベルト・ロウレンソ准将は、「事故の90%以上が人的ミスに起因している」と分析しており、「規則遵守を怠ることは事故発生を決定的にする。飛行はリスクを伴う行為。教育を徹底してこの数字を減らさなければならない」と危機感をあらわにした。
世界的には旅客機の事故は減少傾向にあるが、ブラジルはこの流れに逆行している。ブラジルの最大の問題は、自家用飛行機やヘリコプター、エアタクシー、農業用飛行機などの一般航空(軍事航空と定期空港路線以外の便の総称)にあるという。
今年は上半期で既に103件起きており、昨年同期とほぼ同じ件数だ。「今年は昨年の事故数を上回らないことが目標、来年からは減少を目指す」と同准将は語る。
なお、現場の操縦士からは「地方の空港では問題のある滑走路が多く、改善が行われていない」「パイロットの激務が主な原因では」などと指摘する声も上がっている。