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大量の箒や砂糖は何のため?=市議会が奇妙な買い物=セアラ州の聖者の町J・ド・ノルテで

ニッケイ新聞 2013年8月23日

 シセロ神父の巨大な銅像が建ち、ブラジル北東部でも有数の巡礼地として知られるセアラ州ジュアゼイロ・ド・ノルテ市の市議会が、箒4200本、石鹸2500キロといった不可解な買い物をしていた事が判明し、検察局が捜査を行っている。
 人口25万5千人余りで市議会議員は21人、審議回数は週2回という市議会が、3月から6月の間に買った物品は、箒や石鹸の他、砂糖1200キロ、塩素系漂白剤1400リットル、マッチ2500箱、ボンブリオ(スチールウール)3万3千個、木工製品の艶出しなどに使うペローバと呼ばれる樹からとった油31万2千瓶など。誰が見ても「いったい何に使うのか」と首を傾げたくなる品を、大量に買い込んでいる。
 アントニオ・デ・ルンガ市議会議長は、「掃除をするのには箒が要るだろ? 必要な物はやっぱり買って揃えておかなきゃ」という。だが、市議会内に食堂に1カ所しかない。それだけの量の砂糖が使い切れる訳がない。しかも購入品は、市議会からは約4キロ離れた民間のビルに〝保管〟されているというから、ますます不思議だ。
 市議会議のメンバーでもあるダルラン・ロボ市議は「市議会が奇妙な買い物をしたって話が町中に知れ渡ってる。道行く人がみな『箒はどこにあるの』『石鹸はどこ』って訊くんだぜ。恥ずかしいったらありゃしないよ」と嘆息している。
 シセロ神父は1871年に同地を訪問、1872年からは同地に定住して活動したカトリックの聖職者で、宗教的、道徳的かつ政治的なリーダーとして人望を得た。数々の奇跡も起こしたとされる。しかし反対派がおり、「あれはペテンだ」と告発され、ローマ・カトリック教会から破門されてしまった。
 そのため、ブラジル生まれの別のカトリック教団「ブラジル使徒カトリック教会」が1973年に聖者に認定し、その銅像は今でも、奇跡を求める人々の参拝の対象となっている。(22日付グローボ局サイトより)