14年大統領選=新党承認遅れに苛立つマリーナ=TSEに過程変更求める=亡命対応で非難受けるジウマ=カンポスはさらなる口撃
ニッケイ新聞 2013年8月29日
14年大統領選挙に向け、出馬が予想される各候補の動きが慌しくなっている。ジウマ大統領の対抗一番手と見られているマリーナ・シウヴァ氏は新党・持続ネットワーク(RS)の承認手続きが遅れ、苛立っている。また、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)やエドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)は27日にそれぞれジウマ批判を行った。28日付伯字紙が報じている。
6月の全国規模でのデモ以降、大統領選に向けた世論調査でジウマ氏との支持率の差を縮めているマリーナ氏は現在、新党RSの承認手続きを行っているが、この手続きが同氏にとっての頭痛の種となっている。
ブラジルの法律に従うと、14年の大統領選に新党からの候補として出馬する場合、1次投票日の1年前となる今年の10月5日までに選挙高等裁判所(TSE)の承認をえなければならない。そのためには49万2千人の署名の正式認証と、最低限9州での党事務所設立承認が必要だが、8月27日現在で署名の認証は30万4千人分しか行われておらず、党事務所の承認に至っては1州しか認められていない。
マリーナ氏はかねてから登記所の作業が遅いと批判していたが、RS関係者らは26日、TSEに対し、1票1票手作業で認証するのではなく、第三者からの苦情が来ない限り、それを有効と認めるようにしては、と提案した。RSはTSEに対し、63万7千人分の署名を提出している。
だが、TSE関係者の反応は厳しく「RSからの圧力だ」「架空署名などがあってはならない」と同提案に否定的だ。
なぜ署名認証が遅れているのかというRSからの苦情は、TSEの監督官ラウリータ・ヴァス氏が調査する事になっていた。しかし、ラウリータ氏は27日に、同党の承認手続きは他の人に担当させるよう求めている。
マリーナ氏は世論調査でも支持が高い上、RSは各州の正副代表に10党から移籍した現役の政治家21人を含む34人を予定するなどして組織作りを進めている。そのため、RSの承認如何で14年選挙に向けた政治勢力図が大きく変わる可能性もはらんでいる。
一方、アエシオ氏とカンポス氏は27日、ボリビアのロジェリオ・ピント・モリーナ上議のブラジル亡命を人道的立場から手伝ったラパスブラジル大使館のエドゥアルド・サボイア氏の役職を奪ったジウマ大統領の対応を批判した。アエシオ氏は「サボイア氏を悪人として裁けばブラジルの外交の伝統を変えてしまう」と語った。カンポス氏もアエシオ氏と同様の見解で、「病気で苦しんでいるブラジル人や南米人を助けるのは私たちの伝統であり、私はサボイア氏の良心ある行動を賞賛する」と答えた。
カンポス氏は27日、SBT局の「プログラマ・ド・ラチーニョ」の収録に出演し、ジウマ大統領について「人間としては敬意を払っている」と前置きしつつ、「市長や知事の多くが政治家としての経験と対話の不足を感じている」「国や地方を治めることは謙虚であること」と語った。同番組の放映日は未定だ。