ニッケイ新聞 2013年8月31日
地理統計院(IBGE)が30日、第2四半期(4〜6月)の国内総生産(GDP)は、第1四半期比1・5%成長と報告したと同日付各紙サイトが報じた。前期比0・6%だった第1四半期と比べると2倍以上の伸びで、0・8〜1%という市場の予想を大きく上回る数字となった。
第2四半期に成長が目立ったのは、農牧業3・9%、工業2%、サービス業0・8%など。公共支出も0・5%で、大半の部門で0・5%以上の成長を遂げたが、一般消費は0・3%の伸びに止まった。
昨年同期比の成長率は3・3%で、農牧業は13%、工業は2・8%、サービスは2・4%伸びたが、直近12カ月間の累積成長率は1・9%。第1四半期は昨年同期比2・6%の伸びだった。
ただ、IBGEは12年の成長率を見直しており、12年第2四半期の成長率は0・2%が0・1%に引き下げられ、第4四半期の成長率は0・6%が0・8%に引き上げられている。
GDPが市場の最高予想を上回ったのはジウマ政権では初めて。11年第1四半期の0・8%以降続いた1%以下の成長という状態は9四半期で終止符が打たれた。
工業関係では、土木建設が2010年第2四半期の4%に次ぐ3・8%の成長を記録。その他も、製造業1・7%、鉱業1%、電気・ガス・上下水道・清掃が0・8%などとなっている。
第2四半期の成長を促した要因の一つである投資は3・6%伸びたが、4・7%だった第1四半期より減速している。
サービス部門では、商業1・7%、金融・保険関係1・1%、運輸・保管・郵便1・0%、情報処理0・9%、不動産の売買と賃貸、その他が各0・7%となっている。
国際交易部門は資本とサービス輸出が6・9%伸びたが、輸入は0・6%増に止まった。
ギド・マンテガ財相は22日、今年のGDP成長見通しを3%から2・5%、14年も4・5%から4%に下方修正したが、29日には「インフレ減速や成長率回復などで、ブラジル経済を覆っていた暗雲は少しずつ晴れてきている」と発言。消費者や企業家の信頼感を回復させ、持続可能な成長路線に乗せる意向である事を明らかにした。
ただ、第2四半期の生産活動が消費以上に伸びた事で在庫が増大し、7月の工業生産や小売販売は縮小または減退。7月以降のドル高は輸入品価格を押し上げて物価抑制を困難にしており、8月の企業家の信頼感指数は09年7月以来の低いレベルとなった。信頼感指数の低下は投資熱も下げるため、消費加速も難しくなる。30日付フォーリャ紙サイトには、第3四半期の経済活動は第2四半期のような勢いを失うとの記述も出ている。