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コンフェデ杯=決勝戦当日も混乱止まらず=マラカナンの内外でデモ

ニッケイ新聞 2013年7月2日

 サッカーのコンフェデレーションズ杯決勝が行われた6月30日、試合会場のマラカナン・スタジアム内外で同スタジアムの民営化などに反対するデモが繰り広げられ、騒動となった。1日付伯字紙が報じている。
 6月30日朝、リオ北部のチジュッカ地区にあるマラカナン・スタジアムの周辺部では、5千人の人たちが集まりデモを行った。これは、政治家の汚職に対する批判やマラカナン・スタジアムの民営化に反対する主旨のもので、終始、穏便に行われ、周辺住民も好意的に見守っていた。
 だが、2500人が集まった午後のデモは、最初こそ穏便だったが、会場から2キロ以上離れたアルフォンソ・ペナ公園までの行進のはずが、急に会場に向かうサンフランシスコ・シャビエル通りにコースを変えた。このデモには顔をマスクで隠した集団も参加しており、試合開始26分前には、石や瓶、火炎瓶や手製爆弾まで投げ始めたため、軍警もゴム弾や催涙ガス弾を発射して応戦した。この抗戦により軍警3人とデモの参加者6人が負傷した。
 またスタジアム内部でも抗議運動が起こった。決勝戦前に行われたコンフェデ杯閉会式でダンサーたちが踊っている最中、ボランティアで参加していたサッカーボールの仮装をした2人組の男性が「今すぐマラカナン民営化停止を」と書いた紙を取り出して見せた。この2人はすぐに警備係に取り押さえられた。
 マラカナン・スタジアムは建築大手のオデブレヒト社や大富豪エイケ・バチスタ氏によるIMX社などにより35年契約で運営されることになっている。
 こうした混乱はあったが、スタジアムにかけつけた7万3千人の観衆はブラジル代表の優勝に沸き、「王者が帰ってきた」の大声援を送っていた。