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トラックが主要道路を封鎖=9州23道の動き止る=原材料届かず操業停止も=汚職反対のデモ等も続く

ニッケイ新聞 2013年7月3日

 6月に発生した〃抗議の波〃は7月も続き、1日は全国トラック運転手統一運動(MUBC)の呼びかけに応じたトラックが、9州23の主要道路を全面または部分的に封鎖したと2日付エスタード、フォーリャ両紙などが報じた。ブラジルはトラック輸送への依存度が高く、生産活動にも影響が出ている。

 6月中に出ていた1日に全国統一スト(ゼネスト)実施の声は、MUBC主導の主要道路封鎖のみに終わったようだが、9州23(フォーリャ紙では25)の国道や州道封鎖は、サントス港への貨物輸送等、広い範囲で影響を及ぼした。
 トラックによる主要道路の全面または部分封鎖が起きたのは、サンパウロ州、ミナス州、リオ州、エスピリトサント州、サンタカタリーナ州、パラナ州、南大河州、マット・グロッソ州、バイア州で、周辺の道路にも、迂回路を探す長距離バスなどの運行に伴う混乱や渋滞が広がった。
 トラック運転手達は、通行料やディーゼル油値上げ反対、昨年施行されたトラック運転手の勤務形態に関する法律見直し請求、安全確保などを求めているが、サンパウロ州では1日から予定されていた通行料値上げを延期すると発表した後も道路の封鎖が続き、ジェラウド・アウキミン知事が抗議行動参加者達に賠償を求める意向も表明している。
 サンパウロ州で封鎖された主要道路は、アンシエッタやカステロ・ブランコ、環状線南部、マレシャル・ロンドン、アニャングエラ、ラポーゾ・タヴァーレスなど。ヅットラもサンパウロ州〜リオ州間の複数カ所が封鎖された。サントス港に向かうコネゴ・ドメニコ・ランゴニ道は1日朝7時半から封鎖されていたが、26時間以上を経た2日午前、軍警特殊部隊によって封鎖が解かれた。穀物などを積んだトラックの大半はこの間の動きが止まり、輸出などにも影響が出ている。
 また、サンタカタリーナでは、アウロラ・アリメントスが1日、家畜への飼料の不足や、加工後の肉などの輸送手段が確保できない事などを理由に2日以降の生産活動を一部または全面的に停止すると発表。1日14万5千羽を処理できるマラヴィーリャの鶏肉加工場では、従業員2千人が全員休業となっている。
 トラックのストは2日もサンパウロ州、ミナス州、パラナ州、マット・グロッソ州、バイア州、トカンチンス州、ロンドニア州、パラー州で続き、国道や州道が複数カ所で止められている。
 6月6日以降続く〃抗議の波〃は、汚職撲滅、教育や保健衛生面の改善なども求めており、1日のサンパウロ州では、汚職撲滅を求めるグループが主要道路に入り込んで行進する場面もあった。
 また、ミナス州ベロ・オリゾンテでは6月30日から、パラー州ベレンでは1日から市議会占拠が起きている他、サンパウロ市でも2日、バスの運転手や車掌が市議会に押し寄せるなど、各地各様の抗議行動が続いている。2日には、政治改革に対する国民の意見を聞くための国民投票に関する大統領提案が連邦議会に提出された。