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ジェトゥリオ・ヴァルガス=元大統領の〃最後の日々〃=自殺までの数日間を映画化=名優トニー・ラモスが主演

ニッケイ新聞 2013年7月4日

 ブラジル史上最も重要な人物の一人といえる、ジェトゥリオ・ドルネレス・ヴァルガス(1882—1954)は、1930年に革命の指導者となり、暫定政府の大統領に就任、独裁政権を樹立し、45年にクーデターによって退任するまでの15年間と、51年に民衆の直接選挙で再び当選し、54年に自殺するまでの期間、2度にわたり大統領を務めた人物だ。
 民衆にあてた長文の遺書を残し、当時首都だったリオデジャネイロの公邸の自室でピストル自殺した悲劇的な最期が有名だが、彼が自殺に追い込まれるまでの日々を描いたサスペンス映画「ジェトゥリオ—最後の日々」(Getulio – Ultimos Dias)が制作されることになった。
 演じるのは、日本でも「ブラジル映画祭」で公開されたコメディ映画「もし私があなただったら」(Se Eu Fosse Voce、2006年)シリーズなどで知られるベテラン実力派俳優、トニー・ラモス(64)だ。監督のジョアン・ジャルジンによれば、元大統領の若き日の写真に、彼がよく似ているのだとか。
 「最後の日々」とは、ヴァルガスの政敵カルロス・ラセルダが襲撃されたトネレロ事件があった1954年8月19日から、自殺する24日までの6日間だ。トネレロ事件は、ヴァルガスの護衛隊長だった人物が引き起こしたとされ、反対派の批判を一挙に高め、自殺に追い込む引き金ともなった事件だ。
 ドキュメンタリー映画の名手といわれるジャルジン監督だが、事実をもとに書かれたフィクションが原作だ。「彼の犯した過ちをごまかさず、許すということもない」(同監督)。独裁者と〃貧者の父〃、両方の相反した顔を持っていた、孤高の元大統領の人物像を浮き彫りにする。(2日付エスタード紙より)

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