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スターたちもマニフェスト=著作権法の変更求めて

ニッケイ新聞 2013年7月5日

 ロベルト・カルロスをはじめとしたブラジルを代表する歌手たちが3日、著作権法の変更を求めた上院での議会審議の際、ジウマ大統領に懇願の面会を果たした。4日付伯字紙が報じている。
 上院では同日、音楽関係の著作権料に関して、「徴収権料徴収・配布中央事務所(ECAD)」と歌手や作曲家などの取り分の比率を変更する法案が満場一致で承認された。この法案では、ECADの著作権料の取り分を、これまでの25%から15%に引き下げることを提唱している。
 ECADは1973年に著作権料に関する法律制定に伴って設立された民間企業だが、2012年、ECADの取り分が不正に多く、歌手や作曲家などが別の団体をつくるのを拒む、著作権料の扱いが独占状態などの苦情が相次いだことで、議会調査委員会(CPI)が発足し、調査を続けていた。今回の法案では、ECADに従来通りの著作権料管理を認めたものの、その監査を文化省が行うことや、役員選出は関係諸団体に同一の権利を与えて行うことなども提唱している。
 上院での審議は「音楽界の王(レイ)」の異名で知られるロベルト・カルロスをはじめとする多くの有名歌手の代表たちによって見守られたが、午後9時半頃に審議が終わった後、歌手たちはその足でジウマ大統領に会いに行き、同法の速やかな裁可を懇願した。
 ジウマ大統領は、ロベルト、エラズモ・カルロス、カエターノ・ヴェローゾら、自身の青春時代に一世を風靡した歌手たちを目の前にして興奮を隠し切れず「あなた方の歌は私の人生にしっかりと刻まれています」と嬉しそうに語り、40分ほどの会談後、一緒に写真に納まった。
 この法案の下院での審議は来週にも行われる。