ニッケイ新聞 2013年7月11日
靴とアクセサリーの国際見本市「Francal」が9日から12日まで、サンパウロ市のアニェンビー展示場で開かれており、約1千の業者が出展して国内外の市場に向けた春夏コレクションの新商品を展示、次のシーズンの流行をつかもうとする小売業者などで賑わいを見せている。同見本市はラテンアメリカにおいて最大規模を誇り、開催45回目。
国内一、ひいては南米一の履物(特に男性用の靴)の生産地として知られる、サンパウロ州北東部のフランカ市。市内には約1千の製造所があるが、同地の製造者組合のアナ・テレーザ・アルーダさんは、「ブラジルで収益率が高いのは春夏コレクション。この見本市で毎年、各製造所が年末までの販売計画を立てる」と語る。「中小零細業者は去年、平均して5万2千足を売り上げた。今年は少なくとも10%増を目指す」と意気盛んだ。
今回、同市から出展したのは58業者。今年の流行は、男性靴では光沢があり、かつカジュアルで履き心地が良い商品だ。また、カラフルなスニーカーも流行の兆しとか。「重さ100グラムほど、靴紐はゴム製でより実用性が高く、強い色のスニーカーが流行ると思う」とデザイナーのマルセーロ・デ・パウラさん。
女性靴の流行は、手芸風の趣向を凝らした靴だ。ストーンの飾りがついたものや、椰子や縄の繊維など自然素材を用いたサンダルやサパチーリャ(トウシューズ)が出回りそうだ。また、スニーカーは革やメタル素材を用いた、スポーティーなタイプがトレンドになるという。
なお、ブラジルの靴販売業界では昨年から10%増の400億レ(約1兆7600億円)の売り上げを見込んでおり、消費者層の中心となるのがCクラス、いわゆる新中間層と呼ばれる人々だ。
今年の販売予想の42%をこのクラスが購入するとみられ、新購買者層として台頭を見せている。身だしなみに気を配るブラジル人が、今年一年で靴に消費するとみられる金額は、平均で245・68レ(約1万800円)だ。(9日付グローボ局ニュースサイト、5日付エスタード・デ・サンパウロ紙より)