ニッケイ新聞 2013年7月12日
米国の経済が回復し始めた事などで、化学製品の輸入価格が上半期だけで11・59%上がり、同部門の貿易収支は昨年同期より13・45%増の149億ドルの赤字となったと11日付エスタード紙が報じた。
上半期の化学製品の輸出総額は昨年同期比5・1%減の70億ドルに止まったが、輸入額は昨年同期比13・4%増の220億ドルに達した。また、同期間中の国産品の価格が4・32%の値上がりだったのに対し、輸入品価格は約3倍の11・59%上がった。
上半期に輸入が増えた化学製品の一つは順調な穀物生産とも関連した肥料だが、逆をいえば国内の農業が依然として輸入肥料に依存している事を裏付ける。来年の穀物も豊作が予想され、肥料の輸入拡大は続きそうだ。
このところのドル高レアル安傾向は、社会統合基金(PIS)/社会保険融資納付金(Cofins)の免税と共に輸出を後押しし、中国製品のダンピングの影響も緩和すると見られているが、関係者の懸念材料は米国などで開発が進む廉価なシェールガスの普及だ。米国が原料の一部にもなるガスを低価格で入手できれば、生産コストの高いブラジル製品の競争力は更にそがれる事になる。