ニッケイ新聞 2013年7月16日
サンパウロ市出身の32歳女性が、ハリウッド映画のサウンドトラックの製作者として成功している。
ヴィヴィアン・アギアル・ブフさんは、現在、ハリウッドのあるロサンゼルスに在住し、映画のサウンドトラック制作の仕事を行っている。ここ数年、大きなプロジェクトにも携わってきたが、7月19日にアメリカ、ブラジルで共に公開される大手ドリームワークス社のアニメ「ターボ」ではじめて映画のエンド・クレジットに名前が登場することになった。
サンパウロ在住時代は音楽学校でフルートを専攻していたが、この頃からブラジルの映画業界で仕事をしはじめたことでテクノ音楽に目覚め、自身でもバンドを組んで演奏を行うようになっていたという。
その後、ボストンにあるバークリー音楽院に映画音楽専攻で渡った後、現在はハリウッドの映画音楽の代表的作曲家として有名なハンス・ジマーの経営するスタジオ、「リモート・コントロール・プロダクション」に入り、新進気鋭の若手作曲家ヘンリー・ジャックマンの右腕的存在として働いている。
ヴィヴィアンさんの仕事は録音現場のコーディネートや、ジャックマン氏の音楽が録音されているコンピューターの管理を行うことだが、「テクノでの知識があるので、録音されたオーケストラの音の編集などで自分の能力がいかされている」と語る。
母国を離れての仕事になるが、「アメリカ人はブラジル人の音楽について尊敬してくれている。そして、職場は70%が外国人。ロシア人も韓国人もいるし、他にもブラジル人がいる。孤独は感じない」とヴィヴィアンさんは語る。
仕事は短期間での完成を求められることからスタジオで寝泊りすることも珍しくなく、「夫にはそれが不満みたい」とヴィヴィアンさんは語る。夫は同じブラジル人で、音楽関係の弁護士をしているという。
将来の目標についてヴィヴィアンさんは、「ブラジルも映画のレベルが上がっているので、そのうち帰国して貢献したい。でも、今はアメリカで確固としたキャリアを築きたい」と語る。(9日付エスタード紙より)