ニッケイ新聞 2013年7月23日
ブラジル日本都道府県人会連合会が主催する『第16回日本祭り』がサンパウロ市ジャバクアラ区のイミグランテ会場で19日から3日間行われ、18万人が来場、晴天に恵まれ終日賑わいを見せた。日本からはマルシアの凱旋公演を始め、井上佑見や邦楽グループ「和力」、フリースタイルフットボール選手の徳田耕太郎さんなどが駆けつけた。46都道府県のブースでは郷土食に加え、郷土の企業が商品紹介に参加し、展示館でも250社・団体が出店するなど例年通りの盛り上がりを見せた。前田ネルソン実行委員長は「運営、催し共にレベルの高さが感じられる祭りだった。ロボコンなど新しい試みも観客に喜ばれたし、ほぼどの県人会も食事を完売できた。協力して下さった皆さん、観客の皆さんに感謝する」と語った。
20日正午から行われた開会式には、日系団体の代表やスポンサー企業関係者、安部順二、大田慶子、飯星ワルテルら日系議員ら約30人に加え、サンパウロ市のナジア・カンペオン副市長も来賓として参加し、それぞれ祝辞を述べた。
挨拶に立った園田会長は「昨日(19日)は雨降りで寒く、どうなるかと思ったが、今日は天気の神様であるサンペドロが助けてくれた」と晴天を喜んだ。
宮城県から来伯した若生正博副知事も壇上に立ち、「震災直後、甚大な被害に明日への希望が絶たれそうになる中、いち早く遠く離れたブラジルから皆さんの声援や支援が届けられたことは本当にありがたかった。その思いを伝えに来た」と感謝の言葉を述べた。
黄色い法被姿の来賓らによる鏡開きが行われ、サンパウロ日伯援護協会の菊地義治会長の乾杯で祭りの幕が上がった。
続いてメインステージでは、日本芸能界で25年に渡って活躍する三世歌手・マルシアの歌謡ショーが行われた。
坂本九の「上を向いて歩こう」に始まり、日本でのデビュー曲である「ふりむけばヨコハマ」、オリジナル曲の「舞姫になれない」など6曲を熱唱。一旦舞台から退いたものの、観客からの「マルシア」という声援とアンコールの声に応え、復興支援歌「花は咲く」を、鳥取県人会のコーラスグループとともに歌い上げた。
ステージ中、感極まった様子で目に涙を浮かべていたマルシアは、本紙のインタビューに対し「感動! 感動! 感動! 感動だらけの舞台だった。これ以上の幸せはない」と興奮した面持ちで語り、「(日本での)デビュー翌年に戻ってきて以来、24年ぶりのブラジルでのステージ。やはり、自分の故郷で歌えることは何よりも嬉しい。これからも恩返しをしていきたい」と話した。