ニッケイ新聞 2013年7月24日
連邦政府が22日、国内総生産(GDP)の2・3%の基礎的収支の黒字を確保するため、100億レアルの予算削減を追加で実施する事を発表したと23日付伯字紙が報じた。
ギド・マンテガ財相が先週のロシアでのG20会議を欠席したのはこの予算削減作業のためとされており、56億レは、新規採用中止などによる節約分と種々の補助金減額、国立社会保険院(INSS)の減収分補完などの義務的支出削減だ。
この分野は、市長会議で大統領が約束した支援金15億レや特別融資22億レなどの支出が追加されたため、最終的に56億レとなったが、大半は支払いを前延ばしする事で今年度の支出には計上されないだけだ。
一方、出張手当てや旅費、消費財、建物や車両の賃借料、外注サービスなどの支出カットは44億レ。フォーリャ紙はこの部分だけが実質的な予算削減としている。
マンテガ財相は、5日朝のテレビ番組で150億レ規模の予算削減を予告し、その後も120億レの支出カットを擁護していた。これに対し、グレーシー・ホフマン官房長官やミリアン・ベルキオル企画相らは景気刺激のためには50億レ規模を提唱し、政府内で意見の対立を見ていた。
今回発表されたカット額は100億レだが、この額は10月に予定されている海底油田の入札に伴う収益を74億レ上乗せして算定したもので、市場関係者は、100億レの予算削減だけでは基礎的収支の黒字額は確保できないと見ている。
今回は、GDPの成長見込みを年3・5%から3%に引き下げる事も発表されたが、市場の予想はもう2・3%程度まで下がっており、官民の温度差が大きい。6月分の税収は857億レで上半期累計は5440億レ。税収が昨年同期比0・49%増に止まった事で、基礎的収支黒字の確保は益々厳しくなっている。