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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年7月25日

 成功裏に終わった日本祭り。多くの県人会の役員から聞くのは「若い人が参加し盛り上がった」という声だ。その表情は笑顔であり、地方文協で聞く「年寄りばかりだから…」というため息まじりの表情とは対照的だ。子供は社会の未来というとおり、その行く先を案じてのことだろう。「コロニアに若者を呼び戻したい」というSOHOの飯島秀昭氏の思いで始まった「YOSAKOIソーラン大会」が今週末、初めてサンパウロ市を飛び出て、パラナ州マリンガ市で行われる▼12チームが参加した第1回大会のメイン会場は文協大講堂だったが、ガルボン・ブエノ街も舞台にした。ファンによれば、公道で行うのが本来で、迫力があるらしい。原点に立ち返り、去年第10回の節目を超え、新たなスタートと言える大会になりそうだ。マリンガ市民の度肝を抜いてほしい▼出場チームを見てみると、パラナ州内も多いが、モジ、サンカルロス、カンポグランデ、ビリグイなどからも訪れる。子供たちの遠征を支える親の支援、それに向けた準備を助ける地元コロニアの活動が活性化していることは間違いない。もしYOSAKOIがなければ、この参加者らは何に打ち込んでいたろうか。サンパウロで彼らを迎えてきた飯島氏は今回、何を思うだろう▼若者を惹きつける日本文化のもう一つに太鼓がある。地方のイベントなどで必ず若者が中心になってバチを振るう姿を見ることができる。その全伯大会「第10回ブラジル太鼓フェスティバル」が同28日、サンパウロ市の文協大講堂で行われる。コロニアの将来を担う若者の溢れる活気を感じる一日にしてほしい。(剛)