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6月の失業率が6%に上昇=2009年以降初めて=雇用創出思うように伸びず=6月の〃抗議の波〃も影響か

ニッケイ新聞 2013年7月26日

 今年に入り、労働市場では徐々に陰りが見え始めている。24日に公表されたIBGE(地理統計院)のデータによれば、国内の6大都市圏での失業率が6月に6%に上がり、5月の5・8%、前年同月の5・9%を上回った。専門家は、「経済成長の減速が労働市場にも影響を与え始めている」と指摘している。同日付エスタード紙、25日付フォーリャ紙が報じた。

 年末商戦などにあわせて採用した季節雇用者が解雇されるため、1月は失業率が高くなるが、例年なら6月は再び新規雇用が増える。ところが今年は失業率が上がっている。失業率が前年同月の数字を上回ったのは、2009年10月以来、初めてのことだ。
 IBGEの月間雇用調査主任のシマール・アゼレード氏によれば、2009年12月から2013年4月までの失業率は毎月連続して前年同月より下がり続けていたが、ここに来てそれがストップしたことになる。5月の失業率は、前年同月と同じだった。
 ただ、アゼレード氏はこの結果について、「失業者を減らすための十分な雇用創出がなかったということ。今は安定期に入っている」と楽観的な見方を示す。6%という数字は、これまでの基準に照らせばさほど高いものではなく、6月の数字としては2002年以降、昨年に次いで2番目に低い。
 雇用創出が思うように伸びていない要因の一つは、国の製造業の中心であるサンパウロ州内の産業の減速が挙げられる。工業界の雇用者数は5月から6月に、3・3%にあたる12万人分減っており、そのうちの6万3000人分が大サンパウロ市圏の労働者だった。
 6月に工業界の雇用減少が起きることは誰も予想しておらず、専門家は「この影響が、数カ月後には他の州にも広がっている可能性がある」とも指摘している。
 また、労働手帳に登録された正式雇用者は、5月比で0・4%、前年同月比で3・2%増えたのに対し、労働手帳に登録されていない非正式雇用者が5月比で2・8%、前年同月比では9・9%減少したことも懸念されている。
 LCAコンサルタントによれば、今年の就業者数の伸びは昨年よりもペースが緩慢だという。2012年の就業者数が年間平均では前年比2・1%増えたのに対し、6月は0・6%の微増、今年の累積でも1・2%に止まっている。
 今年前半の雇用創出が思わしくないことは労働省も気づいており、23日に、今年上半期の雇用創出は82万6千人分で、前年同期比で20%減少と発表している。
 なお、インフレ加速と最賃の調整率が低かったために、6月の平均給与は1829・20レアルと前年同月比0・8%に終わっている。この数字は実質的な購買力は前年同月より落ちたことも意味する。
 市場では、6月は全国で〃抗議の波〃が広がったため、商業販売や製品受注が落ち込み、雇用の伸び悩みなどにつながったとの見方も強い。