ニッケイ新聞 2013年7月27日
パライバ州パウリスタ市の市立校教師が、生徒の興味を引くために授業方法に一工夫。教え子達は、公立校生が参加する算数のオリンピックで金メダルを5個獲得し、お金や立派な機器がなくても、工夫次第で学力は飛躍的に伸びる可能性がある事を実証した。
人口1万1千人の小さな町の学校で教鞭をとるジョニウダ・フェレイラさんは44歳。経済学と数学を修めて教師となったジョニウダさんは、授業中も「何、それ?」といわんばかりの顔を見せる生徒達を見て、毎日の生活と結びつけた授業を行う事に決めた。
分数の教室は友人のピツァリア。焼きたてのピツァを実際に切り分けたりして見せれば、何分の1といった概念は一発で定着する。生徒を連れて行く場所は教える内容毎に変わり、ガソリンスタンドやスーパーマーケットなども立派な教室に早変わり。学校にあるのは黒板とチョークのみで、情報処理などを教えるためのラボは、コンピューターを使えるようにするための技師が来てくれるのを待っている状態というカンディト・デ・アシス・ケイロガ校だが、授業のやり方を変えた事でめきめきと理解力が付いた生徒達は、算数のオリンピックで全国の公立校でも上位に入る五つの金メダルを獲得した。
月給約1500レアルのジョニウダさんは、この成果に力を得、パライバ連邦大学の修士コースに入学する事も考えている。(25日付フォーリャ・デ・サンパウロ紙より)