ニッケイ新聞 2013年7月27日
23日から開かれている世界ユースデー(JMJ)の閉会ミサは、リオ市西部のグアラチーバで行われる予定だったが、24日からの雨で土地の泥濘(ぬかるみ)がひどく、利用は困難と判断され、会場がリオのコパカバーナ海岸に急遽変更となった。26日付フォーリャ、エスタード両紙が報じた。
この変更で、27日午後7時半から11時までの祈りの集会と28日午前10時からの閉会ミサは、どちらもコパカバーナ海岸で行われることになった。グアラチーバへの13キロの巡礼も、セントラル・ブラジル駅からコパカバーナ海岸までの9・5キロに変更された。
初日から、法王が通る道の変更の連絡漏れで法王を乗せた車が渋滞に巻き込まれるなどのトラブル続きで、今後世界的イベントの開催を控えるリオ市の力量に疑問を呈する声も高まっている。
「天候の問題は予測不可能。通常リオではこの時期、いつも乾燥が問題になる」とリオのパエス市長は弁明しているが、グアラチーバは常に湿度が高く、浸水することも多い土地だという。
JMJの実行委員会は降雨を想定した場合の準備不足を認めており、JMJのスポークスマンのマルシオ・ケイロス氏は「天候は予想が外れることがある。グアラチーバでの工事は、最悪の事態を予測していなかった」と説明する。
実行副委員長を務めるリオ大司教区のパウロ・セーザル・コスタ司教補は「プログラムの会場変更は法王にフラストレーションを与えた」と明かし、「この行事のために進めていた準備を思うと非常に痛ましい。ただ、巡礼者の安全を考えた責任ある決定だった」と理解を求めた。
このイベントには、150万人の信者の巡礼が予想されていた。130万平米の土地はバス会社のオーナーら数人から寄付されたもので、舞台建設費は500万レ、川の浚渫費等に600万レの費用がかかっていた。
なお、フォーリャ紙によれば25日夜にコパカバーナ海岸で行われたイベントは、86万5千人もの人が集まり、大盛況に終わった。帰りにバスやメトロに乗れない人があふれるなどの混乱を招いたが、法王は「忘れられない歓迎のフェスタだった」とツイッターでコメントしている。