ニッケイ新聞 2013年7月30日
ドイツの大手自動車メーカーBMWが29日、自社で初めて大量生産する電気自動車「i3」モデルを世界に向けて発表し、ブラジルには2014年後半に販売したい意向であることが明らかになった。
お披露目イベントはこの日ニューヨーク、ロンドン、北京で同時に行われ、9月にはドイツのフランクフルトで、同社の目玉として公開される。
「i3の販売地域として、ブラジル市場はラテンアメリカ諸国の中で最も大きい」。同社のブラジル担当責任者カルロス・コルテス氏は、そう期待をあらわにする。
ただし、このタイプの乗り物、すなわち電気自動車のブラジルでの販売には困難が予想される。「最初の壁は規制。ブラジルでは電気自動車がどのような扱いかを調べること。政府との交渉になる」と説明する。
また、電気自動車の概念が浸透していないことから、国民には自動車の仕組みから説明をする必要があると考えており、その広告戦略を検討中だという。
電気を補給できる公共スタンドがほとんどないことも問題だ。現在のところ、リオ、サンパウロの複数のショッピングセンターでしか充電ができない。「大半の顧客は自宅で充電してから乗るはずだが、電気自動車普及のためには公共のスタンド設置は不可欠だから、そのための戦略的なパートナー関係を作っていく」とコルテス氏は話している。
「i3」を発売したばかりの同社だが、その〃兄〃のような位置づけの次期モデル「i8」も製造している。この2種はコンセプトカー(自動車メーカーが展示目的で試作した自動車)として過去2年、各展示会で披露されており、i8の方は欧州で来年、ブラジルには2015年に販売される見込みだ。
なお、これに関連して日本では29日、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車工業の4社が、家庭用電源からも充電できる電動車両(PHV・PHEV・EV)用の公共スタンド(充電器)の設置活動を共同で推進することを発表している。(29日配信グローボ局サイトより)