ニッケイ新聞 2013年7月30日
岡山で鯉のぼり製造会社を経営する徳永深二さんに、日伯両国旗をあしらったミニ鯉のぼりを見せてもらったとき、一瞬懐かしい気持ちでいっぱいになった。
思えば、滋賀出身のコラム子は毎年5月5日が近づく頃になると、男児のいる家の庭には5匹の鯉のぼりが泳ぐ風景を見ながら育った。でも大人になり大阪に出て、実家に帰っても町内に子供がいる家庭が少なくなると同時に習慣そのものの風化で、見る機会はほとんどなくなっていた。
当地では〃今の日本にはない日本的なもの〃を多く目にしてきたが、鯉のぼりは意外にもなかった。あのミニ鯉のぼりが、実際に五輪マラソンを応援する人にどれほど行き渡るかは未知数だが、その勇ましいというより愛らしい姿に目を奪われるブラジル人は多いはず。
せっかくの五輪だけに、鯉のぼりが日伯の絆を世界にアピールする良い機会になれば。(詩)