ニッケイ新聞 2013年6月11日
ジウマ政権への支持率が2011年1月の就任以降、初めて低下に転じたと9日付フォーリャ紙などが報じた。ダッタ・フォーリャの調査によれば、13年3月に最高/良い」と評価した人は65%だったが、6月は8%ポイント低下して57%となった。「最低/悪い」と答えた人は9%だった。停滞する経済情勢への失望感、インフレ、失業率上昇への国民の不安感を反映したものとみられる。
6月6、7日の調査は180市に住む3758人を対象に行われ、今後経済が悪化すると答えた人は過去最高の19%、良くなると答えた人は過去最低の39%だった。
インフレが悪化すると答えた人は、3月20、21日の調査から6%ポイント増の51%で、80%の人がここ1カ月間で食品や、衛生、掃除用品などの物価が上がったと答えた。また、失業率が上がると答えた人は5%増の36%、下がると答えた人は14%ポイント減の7%だった。
支持率低下はこれらの要因に加え、5月18、19日に起きたボルサ・ファミリアの扶助金支払いの混乱や南麻州のインディオ問題の影響も考えられる。だが、フォーリャ紙は、この結果からジウマへの評価が低いとは言えないとしている。理由は、現在も就任直後の支持率の47%を10%ポイント上回っていること、「悪い/最低」と答えた人は2%ポイント増にとどまったことなどで、就任から2年目の6月の支持率では、歴代大統領を上回っている。
また、支持率が8%ポイント低下しても、来年の大統領選でジウマが優勢であることに変わりはない。今回調査で来年の大統領選でジウマに投票すると答えた人は51%で、マリーナ・シルバ(16%)、アエシオ・ネーヴェス(14%)、エドゥアルド・カンポス(6%)の各氏との差はまだ大きい。ジウマ支持は3月の調査から7%ポイント低下したが、少なくとも最初の投票ではトップに踊り出ると予想される。
対立候補で唯一支持率アップのアエシオ氏は、5月に民主社会党(PSDB)の党首に就任後、メディアに頻繁に露出、インフレ高騰などを理由に政府への批判を展開している。同日付エスタード紙は、アエシオ氏個人やPSDB議員らが来年の選挙に向けて足場を固める目的で、民主労働党(PDT)、進歩党(PP)、ブラジル労働党(PTB)など、PT寄りであっても不満を抱く連立与党の議員や党首、州知事などに接近し、彼らを「狩り」にかかっていると報じている。
例えば、リオでは民主運動党(PMDB)のセルジオ・カブラル知事などと対話を進め、サンパウロではパウリーニョ(PDT)の新党「ソリダリエダーデ」に接近、南大河州では知事選に出馬予定のアナ・アメリア上議への支援などでPPを支持基盤に取り込もうとしている。ミナス州副知事はPPで、アエシオ氏と同党の関係はかねてから良好だった。ミナス州では、中央なら連立与党に入る政党の大半が、既にPSDB側についているという。