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4月の小売予想下回る=足を引っ張ったスーパー=懸念材料はインフレや為替

ニッケイ新聞 2013年6月15日

 地理統計院(IBGE)が13日、4月の小売販売額は市場の予想以下の昨年同月比1・6%増で終わり、4月としては03年以降最悪の記録となったと発表したと14日付伯字紙が報じた。
 4月の売上げは3月比0・5%増で、2、3月と続いた前月比マイナスの状況は回避した。この事は国内消費が回復の兆しを見せていると理解出来るが、3月が昨年同月比4・5%増だった事などから見れば、期待以下の結果だったといえる。1〜4月の小売販売累積額は昨年同期比3%増で、全国商業連合(CNC)は今年の成長見通しを4・5〜5%から4〜4・5%に下方修正した。12年の小売販売は前年比8・4%増を記録していた。
 4月に販売が伸びたのは、前月比6・4%増の医薬品と3・3%増の燃料、0・4%増の自動車やバイクだ。自動車は、営業日が多かった事や工業製品税(IPI)の減税延長などで、昨年同月比22・4%と大幅な伸びを記録した。IPI減税が続いた家電類の販売も、昨年同月比9・2%増と好調だった。
 他方、ハイパーやスーパー・マーケット(大型小売店)と服地・衣類・靴類の売上げは、共に前月比0・5%減だった。市場関係者を特に驚かせたのは大型小売店の売上げ減で、ブラジル・スーパー・マーケット協会(Abras)などが出した数値から状況改善を予想していた人々は、インフレ昂進で購買力を殺がれた消費者がより安い銘柄の品を選ぶという自衛手段を講じ、売上げが落ちたと見ている。
 小売販売を圧迫した最大の要因はインフレで、昨年同月比10%以上値上がりした食料品の影響が顕著だ。市場では、食料品の値下がりが小売販売全体の回復につながる事を期待している。
 それ以外の懸念材料はドル高レアル安に傾く為替の動きで、その影響は、大型小売店や家電、情報・通信、衣服、靴などの売上げに強く出た。12日に発表された金融派生商品の取引に対する金融取引税(IOF)撤廃で13日のドル価が値下がりした事で、今後の動きが注目される。
 車などの耐久消費財や高額商品の分割購入時に無視出来ないのが経済基本金利(Selic)の動きで、インフレ抑制のための基本金利引上げが小売販売の伸びを妨げる可能性は否定出来ない。