ニッケイ新聞 2013年6月20日
ジウマ大統領とルーラ前大統領は、バス料金値下げ要求に端を発したデモで、攻撃目標となっているハダジサンパウロ市長の〃救出作戦〃を図るべく、18日夜、同市長とコンゴーニャスの空軍基地で面会した。19日付エスタード、フォーリャ両紙が報じた。
若年層のPT(労働者党)離れを指摘するルーラ氏はジウマ、ハダジ両氏に、「これ以上PTが不利にならないよう、若年層と話し合うべき。でないと抗議は終わらない」と助言した。
ジウマ大統領は、18日にブラジリアで新資源業界法(Codigo de Mineracao)を発表したさいにこの方針に沿った演説を行なっており、「マニフェストはすべての為政者へのメッセージ。生活レベルの向上が、新たな要求を生んでいる。ブラジルはさらに強く生まれ変わる」と語った。
メンサロン事件は引用しなかったものの、汚職や公金横領への拒絶感をあらわにした市民のメッセージは受け止めたとして、「私の政府は教育、医療の機会拡大を試みているが、国民の要求は変わってきていると理解している」と結論付けた。
これに関して、18日付G1サイトは「マニフェストを認めるような発言をした(大統領の)演説は危険」との見方を示した記事を掲載している。
記事中で、取材に応えたブラジリア大学のデイビット・フレイシェール教授は、「今回のマニフェストの首謀者、リーダーが明確になっていないのに、そういった発言をしたのは不用意だった。誰に向けたメッセージなのか。大統領は知らない相手に向けて演説をしたようなもの」と指摘している。