ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

求心力失う行政・立法=為政者に国民の声届かず=抗議行動賛同者は77%

ニッケイ新聞 2013年6月22日

 ダッタフォーリャ(以下、DF)がサンパウロ市で行った調査によると、行政府(大統領や閣僚)を信頼する人はこの10年で51%から19%に減り、国会や政党への不信感は42%と44%に高まったと19日付フォーリャ紙が報じた。また、21日発表のダッタポプラール(以下、DP)調査によると、政治家は選挙民の声を聞いてないと若者は感じているという。
 〃抗議行動の波〃が全国に及び、20日には125万人が街頭に繰り出した事は、バスなどの公共交通機関の料金値上げに対する抗議はほんの口火にしか過ぎない事の証だ。抗議行動は国民の不満の表れとされるが、二つの世論調査は一連の抗議行動がかつてないうねりとなった背景の一端を描き出している。
 DFの調査は、〃抗議の波〃が全国に広がりを見せ始めた18日にサンパウロ市民805人に対して行われたもので、行政府または連邦政府は権威ありと答えた人は、03年の51%から07年31%、今年19%と激減した。行政府への信頼感低下は、貧困対策や清廉さ、庶民の気持ちを知っているはずとの期待が高かった労働者党(PT)政権が、メンサロンなどの汚職発覚や経済失速などを経て、国民(少なくともサンパウロ市民)の間での信頼性を失った事を意味するともいえよう。
 一方、国会には何の権威もないと答えた人は、03年の17%が07年34%、今年42%と毎回増加。国会への信頼感は年々薄れている。
 政党に権威なしと答えた人は03年の22%が40%、44%に増加。政権政党への失望感や政党全般への不信感の表れとも取れ、政党の存在は認めても政党には属さないという抗議行動参加者が多いのが頷ける。司法の権威を認める人も、03年の38%が34%、20%に減っており、メンサロン裁判後も信頼感は回復していない。
 18〜30歳のサンパウロ州民1502人を対象としたDP調査の行政評価は、連邦政府が10点満点中6・94、州政府5・26、市政評価は5で最低だった。この事は、行政は日毎の問題に耳を傾けてくれないという不満の表れと見られている。公共交通機関への評価は大都市周辺が4・08、内陸部が5・15だった。
 同調査では、正規雇用増で納税義務を負う人が増えた事により、州や市は、庶民も料金を払う公共交通などを中心によりよいサービスを提供する義務があると気づき、質の高さなども要求するようになったと見ている。
 サンパウロ州では18〜30歳の人は選挙民の33%の4200万人で抗議行動の中心でもあるが、同年代でフェイスブックなどのソーシャルメディアを使う人は10人中7人。DF調査でソーシャルメディアを高く評価した人は65%で、報道機関評価者も61%、「声をあげよ」との呼びかけや立ち上がった人々に関する報道がうねりを大きくしたようだ。抗議行動が平和的なものとなった事もあり、サンパウロ市での抗議行動賛同者は13日の55%から77%に急増した。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button