ニッケイ新聞 2013年6月22日
一連の抗議行動が全国的に展開している中、20日のデモの最中に2人の死者が出た。21日付エスタード、フォーリャ両紙等が報じた。
一人はサンパウロ州リベイロン・プレットでデモに参加していた高校生のマルコス・デレフラッテさん(18)で、デモ隊に苛立って突っ込んできた車に轢かれ、頭蓋骨などを骨折して即死した。
同市では20日、少なくとも2万5千人がデモ行進を行っていたが、高級住宅街のジョアン・フィウーザ大通り付近まで進んだ時、事故が起きた。事故の瞬間を録画した映像によれば、同大通りを走行してきたアレサンドロ・イシザト・デ・アゼべード容疑者が、進行方向を塞いでいたデモ集団に近づいたため、デモ隊のメンバーが「戻れ戻れ」と叫んだ。
一旦は後退しようとした同容疑者が前進し始めたため、参加者が再び取り囲んで言い合いとなり、少なくとも1人が車を殴った。容疑者はその瞬間アクセルを踏み、13人に接触・衝突、4人が死傷した。容疑者は逃走して未だ捕まっておらず、車には女性と子供が乗っていたという。
また、パラー州ベレンでは掃除婦のクレオニッセ・ビエイラ・デ・モラエスさん(54)が21日朝、軍警が撒いた催涙ガスを吸い込んだことが原因で亡くなった。
同日付フォーリャ電子版によれば、20日夜も仕事をしていた被害者は、市役所前での暴動を避けるため同僚と観光用列車のモニュメントの中に避難したが、ガス弾爆発後に気分が悪くなり、心肺が停止。救急隊が蘇生させ、病院に運んだが助からなかった。被害者は普段から高血圧の薬を服用していた。
軍警によれば、ガスの使用期限は切れてなかったという。「医師の鑑定書の結果次第では何らかの責任が発生する可能性がある」としている。